地域地球温暖化防止活動推進センター事業にかかる
事業仕分けの結果と平成22年度予算の状況

本ページでは、1.地球温暖化防止活動推進センター事業関連の事業仕分けの結果とそれを受けて、2. 平成22年度予算がどのように変化したのか、3.事業仕分けが全国センターおよび地域センターの事業にどのような影響を及ぼしているのかなどについて解説しています。

 

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1.地域地球温暖化防止活動推進センター事業にかかる
 事業仕分け対象事業 

(1)温暖化防止国民運動推進事業(地球温暖化防止活動センター(関係)

 ①地球温暖化防止活動センター等基盤整備形成事業(エネ特)

     平成22年度概算要求額 878百万円

 ②温暖化防止国民運動推進事業うち「温暖化対策『一村一品・知恵の環づくり』事業

     平成22年度概算要求額 300百万円

 

(2)1の事業の仕分け結果

 ①評決結果:廃止 [PDF]

 ②評価コメント [PDF]

2.仕分けの結果とこれを踏まえた平成22年度予算の状況 

 

事業名

事業内容

仕分けに対する対応

備考

仕分け前

地球温暖化防止活動センター等基盤整備形成事業

  • 効果的な地域活動展開のための地球温暖化防止活動推進員研修事業費等
  • 地球温暖化防止活動推進センター普及啓発・広報事業

廃止

 

温暖化防止国民運動推進事業うち「温暖化対策『一村一品・知恵の環づくり』事業

  • 各地域で選定された地球温暖化対策の取り組みのシンボルとして幅広い主体が一体となって温暖化防止に取り組むことを促し、これまでの対策との相乗効果によりCO2の排出量の低減を図る事業

廃止
(但し平成22年度民間資金支援により「低炭素地域づくりフォーラム」として事業を実施)(国費の投入は全くゼロ)

 

 

事業名

事業内容

事業効果

備考

仕分け後

地域活動支援事業等

  • 家庭の排出量の見える化による省エネ診断、対策促進事業
  • 家庭の省エネ診断による情報提供、相談事業
  • 地域の学校、企業等に対し、推進員の派遣事業
  • 地域のNPOとの団体連携による活動支援事業

地域センターをコアとし、地域の人材の活用とNPO等と連携しつつ、地域活動の拡大と充実を図りながら、民生家庭分野における効果的なCO2削減を促進させる。

現在実施中

3.事業仕分けと地域地球温暖化防止活動推進センターの
 活動に関するQ&A

Q 地域の温暖化防止活動を推進する事業が、なぜ仕分けられたのですか?

A 昨年11月の行政刷新会議のコメントについてはこちら [PDF]をごらんください。
この仕分け結果は、「全国センターを経由して地域センターが取り組む」といった事実誤認があるほか、地域センター自体が各地で中核的な役割を果たしているNPOであること、(大臣が指定する)「全国センター」は法律に基づいて地域センターを支援する義務があること等、地域活動の状況やその支援政策のあり方に関する議論はほとんど行われていません。
私たち当事者には、説明の機会も一切与えられないまま、天下り団体の問題に議論がすり替えられ、地域の活動や人材を支援する極めて重要な政策が一方的に廃止された状況です。
当時、全国の地域センターが組織する全国地球温暖化防止活動推進センター連絡会は、以下のような抗議声明を出しています。

 

Q 事業が廃止されたことでどのような影響がありましたか?

A 全国の都道府県知事が委嘱した約7500人の地球温暖化防止活動推進員の活動支援が、多くの地域で大幅に縮小しました。また、「一村一品事業」により地域センターが担っていた、地域のNPOの地道な活動の評価や連携創出に向けた全国規模の活動は不可能となりました。

 

Q 事業仕分け後も形を変えて事業が継続しているのでは?

A 今年度、全国センターが地域センターの活動を支援する形で実施している「うちエコ診断」事業は、事業仕分けで「不要」とされた啓発事業ではなく、新たに創設された地域の草の根の人材が持つ、知識、技術、熱意を駆使した家庭部門でのCO2削減活動です。
また、地域センターによる地球温暖化防止活動推進員の派遣や地域連携支援事業は、これまでのような全国事業から、各地域ごとに必要性を判断して、地域の他のNPO、その他環境団体との連携を重視して最適な手法を選択し、啓発にとどまらず間接的なCO2削減効果も算定しながら進められています。

 

Q 全国センターの活動は、仕分け前と変わらないのでは?

A 以下の3点で大きく変わりました
第1に、昨年までの啓発活動中心から、2020年に基準年比25%削減という政府の高い数値目標に直接貢献すべく、家庭部門を中心とするCO2の削減活動に重心を移しました。

 

第2に、全国センターの指定団体である「一般社団法人地球温暖化防止活動全国ネット」は、いわゆる省庁の外郭団体ではなく、地域センターが主導し、地域センター自身が構成する一般社団法人であり、その運営体制等は、これまでとは大きく異なります。(役職員に省庁OBはいません。)

 

第3に、全国センターの指定を受けた「一般社団法人地球温暖化防止全国ネット」が各地域センターの指定団体が会員となって構成されていることから、その事業は地域センターへの技術的ノウハウの提供などを通じた様々な活動支援に大きく重心を移しました。そのうえで温暖化防止にかかる情報収集、提供、他の市民、NPO、企業との有機的連携を図るという事業の展開を図るものになりました。

 

Q こうした事業は、国ではなく自治体が行うべきではないですか?

A 自治体の温暖化対策には大きな格差があり、よく注目される先進事例を除けば、総じて十分ではありません。25%削減といった困難な目標に立ち向かうには、その削減の担い手づくりや支援において地域の取り組みが必要かつ不可欠であることは言うまでもないことです。
しかし一方で自治体任せとして地域格差を生じさせてはならず、国として到達目標を設定して、地域を支援し全国的な「底上げ」をしていくことが必要です。
「国か自治体か」或いは、無責任に自治体に丸投げするのではなく、国と自治体の政策連携を真剣に考え、国の責任で地域の取り組みを横串しにしていくことを本気で支援すべきです。

 

Q 地域センターよりも地域のNPOを国として支援すべきではないですか?

A 地域のNPOや人材への活動支援は、この分野の問題解決のノウハウや経験を豊富に有する「人材」が命であり、異動によりノウハウが蓄積しない役所(国、自治体)が直接行うことは、逆に大きく効率を損ねます。
地域センターは、このためにわざわざ法律で規定された、中間支援機能を使命としています。
地域センターは協働すべき地域のNPOや団体との豊富なネットワークを築いています。
国が地域の実情を知らないまま、直接地域のNPOを支援するなどは、全く非効率な方法だということができます。それよりも中間支援機能を有する地域センターのネットワーク、人材、組織を活用し、当該地域のNPOを支援していくことがよほど効率的、効果的だといえるでしょう。

 

Q 地域センターには財団や社団もあるのではないですか?

A 法人格としては、NPO法人だけではなく、財団法人や社団法人が務める地域センターもありますが、この事業は組織運営費の支援ではありません。いかに地域での温暖化対策を加速化させるかの事業の委託なり補助です。事業を推進するという観点にたてば、当該組織がNPO法人であるか、公益法人かの切り分けはナンセンスなものと考えます。温暖化対策における組織運営、財政事情は公益法人もNPO法人と全く同様な状況にあります。
財団や社団は法人格の呼称に過ぎず、その実態はNPO法人と変わりません。むしろ地域センターの指定団体という観点に立てばこうした法人格の区別は意味をなしません。
むしろ、事業仕分けによる予算の大幅削減は、いずれの法人にとっても組織運営、財政事情の悪化の状況をさらに強め、現場を疲弊させ、地域活動の低下を招く結果となっています。

 

Q 事業仕分けのあり方について、どのように考えますか?

A 事業仕分は、政策目標に対して、効果的な政策や予算配分であるのかがまず問われるべきです。予算削減が一人歩きすることがあってはならないと考えます。
何よりもまず問われるべきは、昨年の仕分け内容が妥当なものだったのかという検証であり、仕分けの影響を直接受けた当事者へのヒアリングが欠かせないはずです。
事業仕分けが法律をふまえたものでなければならないことは、言うまでもなく、基本的な大前提です。全国センターと地域センターは、温暖化対策推進法第24条(地域センター)と第25条(全国センター)に規定された法律にもとづくものであり、同法第27条は、「環境大臣は、全国センター、地方公共団体、地域協議会その他関係団体と連携を図りつつ、地球温暖化の現状及び地球温暖化対策に関する知識の普及並びに地球温暖化対策の推進を図るための活動の促進に努めるものとする」と定めています。
政治主導の名のもとに、事業仕分けが法に優先するというようなことがないことを我々は強く期待しています。